現在ではIT化が当たり前で、 あらゆるものがインターネットに繋がる IoT 時代。これにより業務がさらにスムーズになりましたが、 その反面、 一昔から比べると、「人」の関わる業務が大きく減ってきました。 最近では、 VUCA ( ブーカ )という言葉が注目を浴びています。
VUCA とは、現代における時代を表す4つの言葉であり、
の頭文字から取っています。
VUCAの時代では、 要求される品質やサービスのレベルが高くなる傾向があり、 想定外の問題が生まれ続けます。
そしてこれからAIが台頭してきても、 想定外の問題に対処するのは「 人 」しかいません。
どうやらこの先も、 VUCAの時代における「 問題解決 」は、永遠の組織の課題になりそうです。
「 問題解決 」といって真っ先に思い浮かぶのが「 なぜなぜ分析 」です。
長い期間、 問題解決に挑戦していないと、 いざ問題解決を行おうと「 なぜなぜ分析 」してみても、 うまくいきません。 その結果、 対処的療法に走り始めます。
対処的療法とは、 表面に表れた状況に対応して物事を処理してしまうことであり、 その場限りの対策で終始してしまいがちです。
例えば、 チェックリストの項目を増やしたり、 検査の項目を増やしたりといった感じです。
これでは、 現場の仕事が増え、 ストレスも増すばかりです。
その結果、 従業員のワークエンゲージメントにも影響し、 離職率が上昇したり、 生産性が低下することもあり得ます。
対処的療法のまま放置しておくと、 根本的原因が残ったままなので、 同じ問題が再発したり、 ある日突然大きなクレームにも繋がります。
管理職やリーダーは、 「 このような状況は絶対に避けなければ! 」と解っちゃいるんですけどね。
「 なぜなぜ分析 」の『 なぜを5回繰り返せ! 』は都市伝説か?
多くの会社では、 問題発生すると速やかに「 なぜなぜ分析シート 」を使って問題解決に挑みます。
これを使うことで、 書類管理が楽になったり、 分析内容に漏れがなくなる等、 メリットが得ているようです。
しかし、 チョット待ってください! 分析をする目的を忘れていませんか?
分析の目的は
です。 この4つを忘れないようにしてください。 くれぐれも書類管理を楽にしたり、 分析内容が漏れなく行われることが目的ではありません。
中には「 いや、 顧客からの指定フォームがあって、 従わなければならんのですよ。 」と言われる方もいます。
もしも、 顧客から「なぜなぜ分析シートを使って、 なぜを5回繰り返して報告してください。」と要求されても、 上記の分析の目的は覚えておいて下さい。
根本的原因分析をしっかりして、 報告を指定のシートに記入する等、 目的と手段を使い分けるようにしましょう。
思い出してみてください。
『 なぜを5回繰り返せば問題は解決する!! 』と言われ、 その通りやって問題が解決したことってありますか?
もちろん、 5回繰り返して解決するケースもありますが、 回数の問題ではなく根本的原因がみつかるまで繰り返すことが重要です。 それが、 5回なのか、 それとも6回、 7回と5回以上繰り返さなければならないのか。 それはケースによって異なるのです。
私たちは「 なぜなぜ分析 」のセミナーを開催し、 「 なぜなぜ分析 」できるビジネスパーソンを多数輩出してきました。
問題解決トレーニングを修了した多くのビジネスパーソンは、 下記のコメントを残してくれています。
上司やリーダーが効率的に情報を集めるには、 日頃からの『 情報戦略 』が決め手です。
組織において情報が集まるようにするには、 組織の『 心理的安全姓 』を確保しなければならないのです。
上司やリーダーであるあなたが部下の話に耳を傾けず、 自分の意見で物事を推し進めようとすると、 部下はあなたに話をしてくれなくなります。
「 どうせ、私が意見したとしても何も変わらない。 」
「 上司が忙しそうだから、取捨選択して話そう。 」
「 この前詳細に話をして、 何言っているかわからないと言われたので、 重要なことだけ話そう。 」
部下があなたに情報を持ってこないのは、 実はあなた自信に問題があるのです。
上司やリーダーであるあなたに部下や後輩が話をしてくれるようになるには、 あなたに話をしても大丈夫といった『 心理的安全姓 』が影響しているのです。
あなたに話をして良かったと部下や後輩が感じたら、 あなたともっと話をしたいと思うのではないでしょうか。
逆にあなたに話をして嫌な思いをしたと部下や後輩が感じたら、 あなたとの話を極力避けるのではないでしょうか。
上記の問題解決トレーニングを修了した多くのビジネスパーソンのコメントにおいて、 1~4まではなぜなぜ分析や新5S思考術といったトレーニングでなんとかなりますが、 5, 6に関してはリーダーのコミュニケーション力が必要となってきます。
真に問題解決にできる上司やリーダーは、 組織における「 心理的安全性 」といった環境を作りあげており、 コミュニケーション能力に長けているのです。
問題解決できる人材を育てるには、 問題解決アプローチを正しく使うこととコミュニケーション力のバランスが大切です。
その結果、 以下の変化が起こり始めます。
そして、 その変化にはリーダーの熱意と姿勢が必要です。
モチベーションを高めるコーチングと、 正しいアプローチを教えるティーチング。
リーダーはその両方を学び、 上手に使いこなす必要があります。
私は、 品質管理部門の方と一緒に仕事をするケースが多いのですが、 そこで「 問題解決アプローチとコミュニケーションのバランス化 」についてお話をするとこんな回答が返ってくることが少なくありません。
「 問題解決アプローチはウチの部門には当てはまるけど、 コミュニケーションに関しては人材育成の範疇だから人事の問題だな~ 」
問題解決は永遠の組織の課題ですが、 それをどの部門が担うかでたらい回しにされることは、 VUCAの時代において生き残ることができないと言っても過言ではないでしょうか。
VUCAの時代といった先が読めない時代を生き残るには、 製造部門だけでなく、 人事部門、 品質管理部門といった部門間の壁を打ち破ることが求められています。
問題解決トレーニングは毎年人事部門で開催する会社さんが多いのですが、 問題解決トレーニングを修了した製造部長さんが品質管理部長に相談したことがきっかけで、 人事 ・ 品質 ・ 製造が一緒になって「 問題解決に長けた人材 」について話し合いが実現した企業さんがありました。
私はその話し合いのファシリテーターとして参加をしたのですが
「 どうやら、教育の目的が異なっているようだ。 」と言うことが明らかになりました。
この内容を工場長に話しをしたところ「 よく気付いてくれた!これを待っていたんだ! 」と深く興味を抱いてくれました。
そして、 これをきっかけに、 工場が目指すべき問題解決に強い人材育成が動き始めました。
3ヶ月もすると改善視点に大きな変化が現れ、 さらには問題を見つける力にも変化を見せてきたのです。
このまま若手がもっと伸びて欲しいと4人 ( 人事 、 品質管理、 製造 、 私 ) は口をそろえて言いました。
部門間の役割は違えど、 問題解決に長けた人材はどこにいっても重宝されます。
一度、 部門間を超えた『 問題解決に長けた人材 』について話しあってみてはいかがでしょうか?
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